1973年にリリースされたThe Rolling Stonesのアルバム『山羊の頭のスープ (Goats Head Soup)』は、バンドのキャリアの中でも特に興味深い一枚です。
前作『メイン・ストリートのならず者』の大成功を受け、期待を背負って制作されたこのアルバムは、ジャマイカのダイナミック・サウンド・スタジオで録音され、エキゾチックでミステリアスな雰囲気を持つ作品に仕上がっています。
ここでは、アルバムの概要と背景、各楽曲の聴きどころ、そして当時の逸話や再評価のポイントに注目して、この名盤を掘り下げます。
今回はThe Rolling Stonesのアルバム『山羊の頭のスープ (Goats Head Soup)』を紹介します!
1973年にリリースされ賛否の別れたアルバムですが、近年再評価されている時代の先を行き過ぎた名盤ですね。
多彩なジャンルの音楽を取り入れたアルバムで、現代の「ミクスチャーロック」という言葉ができるよりも遥か前に多様な音楽を取り込んだアルバムなんですね!
ザ・ローリングストーンズの歴史、そしてロックの歴史を知る上でも必聴の作品ですね!
アルバムの概要と背景
『山羊の頭のスープ』は、プロデューサーのジミー・ミラーが手掛けた5作目のアルバムで、彼の最後のプロデュース作品ともなりました。
この時期のThe Rolling Stonesは創作活動がピークに達しており、ロックンロールからバラード、スローナンバーまで、多様な音楽性が凝縮されています。
- 制作地:ジャマイカでの録音は、リラックスした雰囲気とエネルギーを楽曲に与え、作品全体に特有のムードを作り上げました。
- リリース日:1973年8月31日。商業的には全英・全米ともに1位を記録する成功を収めましたが、批評家からは賛否が分かれました。
聴きどころの楽曲
アルバムは全体で10曲を収録しており、それぞれが異なる魅力を持っています。
1. 「Angie」
アルバムの代表曲であり、世界中で愛されるバラードです。
シンプルなピアノメロディとミック・ジャガーの切ない歌声が印象的。歌詞の内容は曖昧で、リスナーそれぞれの解釈を引き出します。
全英・全米で1位を獲得し、The Rolling Stonesのバラードの中でも特に有名な一曲となりました。
2. 「Dancing With Mr D」
アルバムのオープニングを飾るロックンロールナンバー。
呪術的なイメージや、死神(Mr. D)と踊るというミステリアスなテーマが際立ちます。
スリリングでエネルギッシュなサウンドが、アルバムの扉を力強く開きます。
3. 「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」
ライブでも人気の高い楽曲。
ファンキーでグルーヴィーなリズムとエネルギッシュなホーンセクションが際立ちます。
社会問題を反映した歌詞も注目です。
4. 「Winter」
アルバムの中でも特に静かな感動を呼ぶスローナンバー。
ミック・テイラーの美しいギターソロと、孤独感を表現した歌詞がリスナーの心を掴みます。
寒い季節の風景が目に浮かぶような情緒深い一曲です。
当時の逸話:ジャケットデザインと制作の舞台裏
ジャケットデザインの抗議騒動
アルバムジャケットはデヴィッド・ベイリーによるもので、ミック・ジャガーが薄い布を顔にかぶった幻想的な写真が採用されています。
また、アルバムタイトルにちなんだ「山羊の頭のスープ」の写真が添えられたことで、動物愛護団体から抗議を受ける騒動もありました。
制作の困難とジミー・ミラーの離脱
プロデューサーのジミー・ミラーが体調不良で離脱するなど、制作過程では様々な困難がありました。
それでもバンドはアルバムを完成させ、その多様性を保ちつつ、独自の世界観を築き上げました。
後年の再評価とリイシュー
当時は『山羊の頭のスープ』の評価が前作『メイン・ストリートのならず者』と比較され、批評家からは散漫との意見もありました。
しかし、2020年にリリースされたデラックス・エディションで状況が一変しました。
- 未発表音源の発掘:
特に注目されたのが、ジミー・ペイジが参加した未発表曲「スカーレット」。
彼のギターワークが新たな発見として話題を呼びました。 - 新しいステレオミックス:
2020年版では音質が大幅に改善され、当時の録音の細部が際立つようになりました。
これにより、アルバムの多様な音楽性が再評価されています。
まとめ:『山羊の頭のスープ』が示すThe Rolling Stonesの多様性
『山羊の頭のスープ』は、The Rolling Stonesの多面的な音楽性を示すアルバムであり、エネルギッシュなロックから切ないバラードまで、幅広いジャンルを網羅しています。
当時の音楽シーンにおける彼らの位置を再確認させると同時に、バンドのクリエイティブな可能性を感じさせる作品です。
再評価が進む今だからこそ、もう一度このアルバムを聴き直してみてはいかがでしょうか。
The Rolling Stonesが描き出す音楽の旅を、ぜひ体験してみてください。
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