注目のミュージシャン「Proux」とは?ネットの海から未来のファンクが生まれるまで

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注目のミュージシャン「Proux」とは?ネットの海から未来のファンクが生まれるまで 音楽
注目のミュージシャン「Proux」とは?ネットの海から未来のファンクが生まれるまで

音楽ストリーミングサービスやSNSで、まだ見ぬ才能に出会える現代。

今回は、そんなデジタル時代の恩恵とも言える、ティフアナを拠点に活動するインディペンデント・アーティスト、Proux(プル―)をご紹介します。

ゴマフリーダム
ゴマフリーダム

今回はメキシコ フィフアナを拠点に活動するミュージシャン「Proux」を紹介します!
ヴェイパーウェイヴといった現代のポップサウンドからファンクを吸収した独特のグルーヴが魅力です。

ごまこ
ごまこ

聞いたことがない方だったんですが、聴いてみるといろんなジャンルの音楽の影響を受けていて自分にとっての一曲が見つかるアーティストだと思います!
独特のクラブサウンドからバンドサウンド、YMOを思わせるサウンドまで多彩です!

彼の音楽は、単なる「ファンクやハウスのアーティスト」という言葉だけでは到底語り尽くせない、深い魅力と背景を持っています。

今回は、そのサウンドの変遷、彼が根差すカルチャー、そしてインディペンデント・アーティストとしての哲学に、さらに深く迫ってみましょう。


FUNK AROUND II

サウンドの変遷:ヴェイパーウェイヴの残響から、現代的なクラブサウンドへ

Prouxのキャリアを追うことは、近年のインターネット音楽シーンの進化を辿る旅のようです。

初期(2010年代中盤):フューチャーファンクとノスタルジア

デビューLP『Back By Popular Demand』(2016) に代表される初期の作品は、当時隆盛を誇ったフューチャーファンクヴェイパーウェイヴの文脈で語られるべきサウンドです。

日本のシティポップやディスコのサンプリングを多用し、独特のコンプレッション感とローファイな質感で、インターネット越しの「架空のノスタルジア」を創り出していました。

Macross 82-99やFIBREといった同時代のアーティストとのコラボレーションは、彼がこのシーンの中心人物の一人であったことを示していますね。

現在(2020年代):生演奏のグルーヴとDJへの眼差し

近年リリースされたEP『FUNK AROUND』シリーズやアルバム『FUNKS NOT DEAD』では、その作風が大きく進化しています。

サンプリング主体から、よりオリジナルのメロディや、まるで生演奏のような躍動感あふれるベースライン、キレのあるドラムが前面に出ています。

これは、単なる懐古趣味ではなく、ファンクという音楽の本質的な「グルーヴ」を現代のクラブシーンでいかに機能させるか、という彼自身の探求の表れです。

よりDJフレンドリーで、フロアを熱狂させる力強さが加わりました。

ティフアナというルーツと、グローバルなオンライン・シーン

Prouxの拠点であるメキシコ・ティフアナは、アメリカとの国境に位置する文化の交差点です。

ラテン音楽の豊かな土壌と、アメリカから絶えず流れ込むポップカルチャーが混ざり合うこの場所で育ったことは、彼の音楽の多様性に無意識的な影響を与えているのかもしれません。

しかし、それ以上に重要なのは、彼が「インターネット」というグローバルなシーンでキャリアを築いてきたことです。

彼のコラボレーターは国境を越え、リスナーは世界中に存在します。

物理的な場所の「ローカル」であると同時に、デジタル空間の「グローバル」な存在であること。

この二重性が、Prouxの音楽に普遍的な魅力を与えている一因でしょう。

『Bomb Rush Cyberfunk』— ゲームカルチャーとの必然的な邂逅

2023年、彼のキャリアにおける重要な出来事が起こります。

カルト的な人気を誇るゲーム『ジェットセットラジオ』の精神的続編とされる『Bomb Rush Cyberfunk』に、彼の楽曲「Funk Express」が採用されたのです。

このゲームは、90年代後半~2000年代初頭のストリートカルチャー、グラフィティ、そして何よりもファンキーな音楽が核となっています。

Prouxの音楽が持つ、レトロでありながら時代を超越したスタイリッシュなグルーヴは、このゲームの世界観と完璧に合致していました。

これは単なるタイアップではなく、Prouxの音楽が持つ「カルチャー的な正しさ」が証明された瞬間と言えます。

この採用により、彼はゲームファンという新たな層にリーチし、その名をさらに広めることになりました。

4. インディペンデントとしての哲学

Prouxは、大手レーベルに所属せず、インディペンデントな活動を続けています。

これは、彼が自身の音楽的探求を一切の妥協なく追求できることを意味します。

フューチャーファンクからモダンファンクへと、自らの興味と音楽的成長に合わせてスタイルを変化させられたのは、この独立性があったからこそでしょう。

BandcampやSpotifyといったプラットフォームを駆使し、ファンと直接繋がる。

Catuss RecordsやMontaimeのようなインディーレーベルと協力し、信頼できるコミュニティの中で作品をリリースする。

Prouxの活動スタイルは、現代のアーティストがいかにして世界と繋がり、自身の音楽を届けていくかという、一つの理想的なモデルを示しています。

まとめ

Prouxの音楽は、単に過去の音楽を模倣したものではありません。

それは、インターネットというフィルターを通して過去の音楽を再発見し、現代の技術と感性で再構築する、きわめて創造的な行為です。

彼のディスコグラフィーを聴くことは、一人のアーティストの成長物語であると同時に、この10年の音楽シーンのダイナミズムを体感することでもあります。

もしあなたがまだ彼の初期作品しか聴いたことがないなら、ぜひ最新のEPを。

もしゲームで彼を知ったのなら、そのルーツであるデビューLPを。

Prouxという音楽の宇宙は、ずっと広く、深いのです。

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