「生きろ。」
この強烈なキャッチコピーと共に、1997年に公開されたスタジオジブリの映画『もののけ姫』。
「子供の頃に観たけど、少し怖かった記憶がある」
「名前は知っているけど、まだ観たことがない」
という方も多いのではないでしょうか。

今回は1997年に公開された映画「もののけ姫」をネタバレなしで紹介していきます!

原作・脚本・監督は宮崎駿さん!
興行収入は201億8000万円で当時、日本歴代興行収入第1位を記録したんですね!
この作品は、単なるファンタジーアニメーションではありません。
自然と人間、生と死、善と悪といった普遍的で重いテーマを真正面から描き、観る者の心に深い問いを投げかけます。
今回は、そんな映画『もののけ姫』の魅力を、ストーリーのネタバレなしで徹底的にご紹介します。
この記事を読めば、きっとあなたもこの壮大な物語の世界に引き込まれるはずです。
物語の始まりは…【ネタバレなし あらすじ】
舞台は、まだ神々やもののけが棲んでいた中世の日本。
東北の地に暮らす一族の青年・アシタカは、村を襲った「タタリ神」に死の呪いをかけられてしまいます。
呪いを解く術を求め、故郷を追われるように西へと旅に出るアシタカ。
旅の果てに彼がたどり着いたのは、鬱蒼とした深い森と、そこで鉄を作りながら暮らす人間たちの共同体「タタラ場」でした。
タタラ場を率いるエボシ御前は、森を切り拓き、人々の豊かな生活のために鉄を作ることを正義としています。
一方、森には犬神に育てられた少女サン(もののけ姫)がいました。
彼女は森を侵す人間を激しく憎み、神々と共に人間との戦いに身を投じています。
人間たちの「生きるための正義」と、もののけたちの「森を守るための正義」。
決して相容れない両者の間で、アシタカは憎しみの連鎖を断ち切り、共に生きる道を見出すことができるのか。
彼の旅が、今始まります。
ここが凄い!『もののけ姫』5つの見どころ
なぜこの映画は、公開から20年以上経った今でも色褪せず、多くの人々の心を打ち続けるのでしょうか。
その魅力を5つのポイントに分けてご紹介します。
1. 善と悪では割り切れない、深遠な物語
この映画の最大の特徴は、単純な「正義 vs 悪」の構図ではないことです。
物語に登場する人間たちは、森を破壊しているため「悪」に見えるかもしれません。
しかし、リーダーのエボシは社会から見捨てられた人々を集め、彼らに仕事と尊厳を与えています。
彼らにとって森を切り拓くことは、自分たちが豊かに「生きる」ために必要不可欠なことなのです。
一方、聖域である森を守るために戦うもののけたちの主張は、絶対的な正義に思えます。
しかし、その人間への怒りと憎しみは、時に無差別な攻撃へと向かいます。
彼らにとっても、それは自分たちの仲間と故郷を守るための、譲れない戦いなのです。
観客は主人公アシタカと共に、両者の言い分に耳を傾けることになります。
「どちらが正しいのか?」という簡単な答えはどこにもありません。
この重厚なテーマこそが、本作を単なるアニメで終わらせない、普遍的な物語にしています。
2. 魂を揺さぶる、魅力的なキャラクターたち
登場人物は誰もが強烈な個性と、自らの信念を持って生きています。
死の呪いを受けながらも、憎しみに心を支配されることなく、物事の本質を「曇りなき眼」で見定めようとします。
彼の誠実さと、絶望的な状況でも道を探し続けようとする苦悩が、物語の確かな軸となります。
人間でありながら、森と獣たちと共に生きる「もののけ姫」。
その野生的な佇まいと、人間への激しい憎しみの奥にある純粋さ、そして孤独が、観る者の胸を強く打ちます。
カリスマ性と合理性を併せ持つタタラ場のリーダー。
民を想う深い愛情と、目的のためには自然を破壊することも厭わない冷徹さ。
この複雑な人間性が、本作の物語に圧倒的な深みを与えています。
彼ら以外にも、言葉を話す巨大な神々や、ユーモラスながらも芯の通った登場人物たちが、物語を力強く彩ります。
3. 息をのむほど美しい、生命力あふれる自然描写
本作の美術、特に自然の描写は圧巻の一言です。
鬱蒼と茂る太古の森、苔むした岩や樹々、陽光が差し込む神秘的な泉。
ただ美しいだけでなく、そこには何千年もの時が育んだ生命の息吹が感じられます。
森の豊かさの象徴として登場する不思議な精霊「コダマ」の姿も印象的。
風にそよぐ葉の一枚一枚から、流れる水の透明感まで、徹底的に描き込まれた映像美に、きっと心を奪われるでしょう。
4. 手に汗握る!迫力のアクションシーン
ファンタジーでありながら、アクションは非常に生々しく、重量感に満ちています。
アシタカが放つ矢の威力、大地を揺るがして疾走する巨大な獣たち、刀がぶつかり合う金属音。
アニメーションならではのダイナミズムとリアリティが融合し、観る者をスクリーンに釘付けにします。
戦いの痛みや命の重さが容赦なく描かれるからこそ、物語のテーマがより一層際立ちます。
5. 物語を彩る、久石譲の壮大な音楽
宮崎作品に欠かせない久石譲氏による音楽が、この壮大な物語を見事に演出しています。
物語の始まりを告げるメインテーマ「アシタカせっ記」は、これから始まる運命の重さと旅の過酷さを予感させます。
壮大なオーケストラから静かなピアノの旋律まで、すべての楽曲が映像と完璧に調和し、私たちの感情を大きく揺さぶります。
まとめ
『もののけ姫』は、人間も、自然も、ただ懸命に「生きよう」としている物語です。
そこには簡単な答えも、絶対的な正義もありません。
だからこそ、私たちは悩み、考え、この物語に深く引き込まれるのかもしれません。
- 考えさせられる深い物語が好きな方
- 圧倒的な映像美を体験したい方
- 心に残る音楽に浸りたい方
もしあなたがまだこの傑作に触れていないのなら、ぜひ一度ご覧になってみてください。
きっと、あなたの心に深く刻まれる、忘れられない映画体験が待っています。
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